逮捕

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2度目の転業💨 この処遇の小部屋へ行く道も3度も来ると慣れたものである。 扉を開け、いつものお偉い刑務官が立っていた。 新入からこんなに転業するのは私くらいじゃないかしらと思うが、懲罰で転業になる受刑者もかなりいるからそうでもないかと一人で心の中で呟いた。 3度目となると度胸もすわるものだ。覚悟もできて新入の時のドキドキ不安感もあまり感じない。 いつもの様に頭を下げ名前と番号を言う。 今日から観察工場で作業してもらいます。観察工場はあなたも経験しているのでよくわかると思いますが、新入のお手本ですから心得て取り組んでください。 そう言われ頭を下げて小部屋を出た。 廊下を歩く途中、部長が「観察工場は一人での作業だから大変だとは思うけれど、頑張って」と言った。 観察工場へ配役となるとは予測すらしておらず、今思えば前任の雑役受刑者が本面接があったと先月聞いた記憶があった。 こうして新入寮から程遠くない観察工場へ部長と向かうのであった。
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