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「ああ、それなら今日は顧問が出張でな。仕方がないから急遽練習は家でそれぞれやる事にしたんだ。ま、実際に自主練する様な律儀な奴は内の野球部にはいないだろうがな」
俺を含めて。
と一弥は心の中で付け足した。
「成る程ね」
高志は頷きながら言った。
「んじゃ、俺は此処で。ケータイ買ったらメールくれよな」
二人は何時もT字路で別れる。
左の道が高志で右の道が一弥の帰る道だ。
「OK!!一番にメールするぜぃ!」
一弥のアドレスしか知らないのだからそれは当たり前なのだが、一弥はあえてツッコまなかった。
ケータイを持ってないのだから、それに疎いのは仕方がないと思ったからだ。
単純にツッコむのが面倒くさかったのも要因ではあったが……。
「じゃーねー」
手を振る高志に、一弥は後ろ手で手を降った。
そして二人はそれぞれの家路についた。
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