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「しかし、あの時は驚いたよな」
ヒカル先輩がからからと笑いながら、男の子のようにそういった。
現在高校二年生。
本当は井上正美という名前があるのだけれど、平凡なその名前が嫌いな先輩は、自分のことをそう呼ばせていた。
この、六条院の中でだけ。
校内でも有名な美少女で、それでいて性格は男の子みたいな先輩には、似合っていると、思う。
「もう、いいじゃないですか、その話は」
私は、ぜんぜん困っていないのに、精一杯困った顔をして言う。
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