第一章 光る紫・六条院

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' 「しかし、あの時は驚いたよな」 ヒカル先輩がからからと笑いながら、男の子のようにそういった。 現在高校二年生。 本当は井上正美という名前があるのだけれど、平凡なその名前が嫌いな先輩は、自分のことをそう呼ばせていた。 この、六条院の中でだけ。 校内でも有名な美少女で、それでいて性格は男の子みたいな先輩には、似合っていると、思う。 「もう、いいじゃないですか、その話は」 私は、ぜんぜん困っていないのに、精一杯困った顔をして言う。 .
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