🍀裏切り

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「ところでさぁ、紗良…」 「……」 トランクス一丁で、コーヒーを入れてくれている勇気の後ろ姿を、 愛の余韻にひたりながら、うっとりと眺めていた私は、 勇気に話しかけられても気付かないでいた。 「ちょっと、紗良!聞いてる?」 クスクス笑いながら、コーヒーを持ってきてくれた勇気が、優しく私の頭を撫でる。 その心地よさにとろけていたくなる。 「ごめん!ボーッとしてたみたい」 「俺に見惚れてたな…あのさ~、来月からバイトするって言ってたけど、紗良やめとかない?」 「えっ!!何で??」 「いやぁ、別にバイトしなくたって、こうやって会えるわけだし。何より、今のバイト女の子じゃきついと思うんだよね」 「だって、女の子も働いてるんでしょ?」 「そうなんだけど…その子達きつそうなんだよ…」 勇気は、私を納得させようと、色々な理由を、あぁでもない、こうでもないと、繰り返す。 私は、何で?だって!を繰り返す。 話し合いは、平行線をたどり、我慢出来なくなった私は、 「もういいっ!」 怒りにまかせた言葉を吐き出し、勇気の家を飛び出した。 🍀
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