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流れる涙を拭うこともせず、飛び出した街の中で空に電話をかける。
私は、勇気との話しを怒りに任せて、空に話し続ける。
空は、時折相づちを打ちながら、黙って聞いてくれていた。
「――どう思う?」
全てを話し終わって、空に初めて問い掛ける。
「どう思う?って紗良の中で、もう答え出てるよね?ちゃんと謝れる?」
――さすが、親友!
思わず心のなかで叫ぶ。
私は、空に話しをしているうちに、気持ちが落ち着いて、怒って出て来た事に罪悪感を感じてきていた。
「…うん。謝る…」
「んっ。じゃあ今すぐ電話しなっ!」
空は、そう言って電話を切った。
『そうだよね、ちゃんと謝らなきゃ』
私は、今来た道を全速力で走り始めた。
🍀
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