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――――
ピーンポーン♪…
震える手をもう片方の手で無理やり押さえながら、私は勇気の家のチャイムを鳴らした。
ガチャッと乱暴な音がして無表情の勇気が顔を出す。
―その顔に、走ったことで息の上がった私の呼吸が更に速まるのを感じる。
「…勇気、ごめんなさいっ!」
「………うん。分かったからとりあえず今日は帰って。じゃあ―」
――えっ……?
何今の……
―私、そんなに勇気を怒らせちゃったの…?
勇気の意志のように、閉ざされたドアを見ながら、私は呆然としていた。
どこをどうやって帰ったのかわからず、
気付けば自分の部屋のベッドの上で、
声を殺して泣いていた。
🍀
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