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いつの間にか音色は消えていました。
代わりに木の葉の擦れる音がし、セイレーンは岩場に隠れました。
「昼間の方、ですよね?」
優しい澄んだ声音が聞こえてきました。
セイレーンはその声に聞き覚えがありました。
それは昼間にシルフィードと共にいた青年のものでした。
「昼間はすみません。私はただ、貴方の歌を聞きたかっただけなのですが…」
申し訳なさそうな声音にセイレーンは恐々としながらも岩場から顔を覗かせました。
そこには月光に照らされて金色の髪をキラキラと輝かせるあの美しい青年がいました。
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