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いつしかセイレーンは青年を恋しく思うようになりました。
美しい容姿に柔らかな歌声。
細やかなリロの演奏。
何よりも、その心に清らかさに胸を熱くさせました。
青年が作ったという詩はどれも胸を打つ素敵な詩でした。
時に、生を喜び、死を嘆き、愛を謡い、自然を愛し、人を愛し…それに作為的なものは一切感じるようなことはありませんでした。
それは青年が本当に感じるままに詩ったもの。
嘘偽りのないそのままを青年は唄うのです。
でも、あんな美しい彼と私では釣り合わないとセイレーンは諦めていました。
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