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ある夜、青年はある物語を語っていました。
それは魔物の青年と少女の恋物語。
最後に魔物は人間になり少女と結ばれる物語。
正確には結ばれるだろう物語。
「これはずっと東の国のお話なんですよ」
青年は語り終えるとそう説明しました。
「種族の違いなど些細なこと。そこに強い思いがあればなんてこともありません」
夜空を仰いで青年は静かに言うと、そっとセイレーンの手を取りました。
「この光を持たぬ身ですが…私は、貴方を愛しく思っているのです」
青年はそう告白しました。
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