美しい青年

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ある日のこと。 セイレーンは岩場に座り、歌を口ずさんでいました。 「綺麗な歌声ですね」 突然の声にセイレーンは驚き、振り返りました。 そこには一人の青年がいました。 金色の髪をした美しい顔立ちの青年。 その手には杖、背には荷物。 瞳は閉じられています。 『嗚呼、なんて醜い』 今度は高い声音に驚き、声の主を探します。 剥き出しの瞳が見つけたのは薄緑色の髪と服を着て、薄い羽を持った美しく可愛らしい小さなもの。 風の精霊、シルフィードでした。 『やはり魔物よ。こんな醜いなんて…』
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