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とぼとぼと歩く。
刺すような陽射しが痛い。
いつから歩いているのだろう。
ついさっきからだったろうか。
それともずっと前。
覚えてない。
忘れてしまったのだろう。
立ち止まって太陽に手を翳す。
お水が欲しい。
眩しい。
足が痛い。
ガラスの破片や鋭い石をふんだ足は血豆と傷でぼろぼろだ。
あんまりきれいじゃない。
このまま歩いて意味があるの?
もう止めてしまおうか。
ひとりぼっち
このままここでぼんやりしていればすぐに夜になるだろう。
砂漠の夜は寒い。
動かなければ凍え死ぬだろう。
満天の星空に包まれて死ぬのも悪くない。
いやその前に渇きで死ぬだろう。
しゃがみ込む。
陽射しは一向にじりじりと身を焦がす。
かみさま、ごめんなさい。
黒いうさぎは懺悔するとともにめを閉じた。
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