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「そんな事良いって! お礼なんてそんな―――」
「良いじゃねぇかミック。手伝いたいって言ってんだ」
猫獣人の言葉を遮って昨日の獅子獣人が部屋に入ってきた。
「隊長、何言ってんのさ。こんな怪我した人に手伝わせるなんて!」
「そうですよ隊長!」
「ばぁか、誰が今から手伝わせるって言った? 仕事手伝ってもらうのは怪我が治ってからだ。お前もその気なんだろ?」
俺に話を振られたので無言で頷く。それもそうだ。さすがにこの怪我じゃ何をしようにも邪魔になるだけだ。
「ほらな? 俺達だって人数少ねぇんだから、困ってるんだ。ちょうど良いじゃねぇか」
「ん~それはそうだけど……」
「……仕事って何するんだ?」
俺は話を聞いていた犬獣人に聞いた。
「僕達、ハンターズなんだ。……少人数のね」
……ハンターズ。嫌な思い出が浮かび上がりそうになるが抑える。それに、この人達はあいつらとは違う。それだけはわかる。
「…わかった。俺もそのハンターズに入れてくれ」
「よく言った! 歓迎するぜ!」
こうして俺はハンターズに入った。……あのまま死ぬよりも、生きて罪を償い続けることを選んだ。
「そうと決まれば早速他のやつらにも知らせにいくぞ! 立てるか?」
俺は差し出された獅子獣人の手を握り立ち上がる。少し痛みはするが、歩く程度にはそこまで問題じゃない。下は脱がされてはいなかったので、近くに畳んであった俺の服を着て、三人に着いていった。
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