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部屋を出るとそこは居間だった。ソファーに座って本を読んでる狐獣人と、床に寝転がっている鳥人がいた。
「おいネロ、お前何やってんだよ」
「うっせぇなドルク……って、お前もう動いていいのか!?」
ネロと呼ばれた鳥人は、俺を見るなり驚いていた。その声に気付いて狐獣人の方もこちらを見る。
「俺達の新しい“仲間”だ。……名前まだ聞いてなかったな」
……仲間。あそこでは絶対に言われることのなかった単語。その言葉がとても暖かく感じられた。
「…オズワルド・タナトスだ」
「オズワルドか。俺はドルク・マグワー。このハンターズ“ヴァイス”のリーダーだ。隊長って呼んでくれ」
「僕はラルド。ラルド・トレニス。よろしく!」
俺を看てくれていた犬獣人―――ラルドは、手を差し延べてくる。俺は黙ってその手を握る。
「俺はミック。ミック・スタナ。料理は俺が作ってるんだ!」
そう言ったのはスープを持ってきた猫獣人。
「俺はネロ・フォール。よろしくな!」
床で寝転がっていた鳥人は笑みを浮かべながら言った。
「………クリストラルディア・ラナです。クリスって呼んでください」
恥ずかしがって言ったのはソファーで読書していた狐獣人。
「ようこそヴァイスへ。俺達はお前を歓迎するぜ」
本当に少人数だったが、暖かさは多かった。今、俺はこのハンターズに助けられて本当によかったと思えた。
「……ありがとう!」
俺は心からその言葉を言うことが出来た。
「んじゃ、ちょっとオズワルドは着いてこい。ここでの決まりとかを教える」
そう言われて俺は隊長に着いていく。着いた場所は隊長の部屋だった。誰か知らないが、扉に『隊長の部屋』と彫られていた。
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