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「ここは中央都市ガレールだよ! オズワルドは来た事ある?」
「話には聞いた事あるが、ここまで賑やかなのか……」
俺が生まれたのは北のガーランズの方にある小さな村だった。噂で聞いた中央都市ガレール。通称[始まりの都市]。そこは賑やかそのものだった。至る所に立ち並ぶ店にたくさんの人が集まり買い物をしている。
「買い物は大体僕とクリスがやるから別にいいね。とりあえず冒険者ギルドの場所を教えておくから」
そう言って歩いていくラルドに遅れないように着いていく。
「――といっても、そんなに歩く距離じゃ無いんだけどね」
言った通り、一分もしないうちに着いた。それらしい看板も立っているのでわかりやすい。
「依頼の請け方は知ってる?」
「……あぁ、何度も見た」
子供の頃から依頼を請けているのを見ていたのでわかる。
「じゃあじゃあ、ちょっと来てほしい所があるんだ! 着いてきて!」
何やら楽しそうに話すラルドを見て、つい俺の顔も綻ぶ。俺は、手を引っ張るラルドに連れていかれた。
「―――ここだよ!」
連れて来られた場所は町から離れた丘だった。一本の大きな木が影を作っている。
「ここからガレールを見てると、なんだか凄く気持ち良いんだ。………ここはいつ来ても気持ち良い」
ここからだと、あの大きな都市が小さく見える。ずっと眺めていると、清々しい気持ちになれる。そんな場所だった。
「……そうだな」
「ちょっとお昼寝~」
そう言ってラルドは寝転がり、目を閉じた。俺は木に寄り掛かって座る。涼しい風が通っていくのを感じながら、いつの間にか俺も目を閉じていた。
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