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「いえいえ、どういたしまして。さぁ、帰ろっか。家まで送るよ」
英介は手を上の方で組んで、伸びをしながら遥を見る。
「えぇ!?結構です」
「女の子一人は危ないよ」
英介の有無を言わせぬ笑顔に、遥は仕方なく一緒に帰ることにした。
「どうしてあんなことになったの??」
校門を出て少ししたころ、ふと英介が口を開く。
「それは…体育倉庫に…」
(…ッと、roseファンの嫌がらせなんて、この人には言えないや)
「興味があって入ってみたら、間違ってカギ閉められちゃったみたいで…」
(我ながら、嘘が苦しいかも)
英介の方を向いて、困ったように中途半端な笑顔を作ってみせる。
「………ふーん。…はるはおバカさんだね」
英介は一度何かを考えるような素振りをしてから、付け加える様に笑った。
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