学園の王子達

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高野遥-タカノ ハルカ- この春三代学園-ミシロガクエン-に入学した高校1年生。 「はぁっ、はぁっ…」 彼女は今全速力で校内を駆け回っている。 何故なら、 追われているから。 「遥ちゃんみっけ!!」 角を曲がってすぐに立っていた、背が低く、茶髪でくせっ毛の男子生徒が遥を指差して言う。 「ゲッ。臣哉-オミヤ-!!」 遥は、姿を確認するなり体を急旋回させて、近くのドアを出て中庭へ駆け出した。 「はーるか!ストップ」 中庭へ出た途端、そこで待ち構えていたのは長身でつり目、真っ黒な髪をワックスで立てた男子生徒。 遥の行く手を両手を広げて遮る。 「慎太郎-シンタロウ-さん…背…高いからって……それはズルい!!」 息を切らしながら、途切れ途切れに言葉を繋ぐ。 遥も身長165センチと長身のため、腕の下を通るのがなかなか難しいのだ。  
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