0.プロローグ

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 彼は何が悲しかったのか。  彼は何が虚しかったのか。  そして、何故あんな話を自分は聴いていたのか。  分からない。  当時、まだ考えることすら出来なかった自分には、その話を理解することは難しかった。  なのに訊いたのは、直感で思ったからだろう。  あんたの様になれるのか、と―――――。  ただ一つ、あの時、強いて理解できていたことがあるとすれば。  これから何か大きな事が起こるんだ。  それだけだった。  これは、いつか見た白昼夢の話―――――――。
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