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「……おい」
隻眼の男…ウルフが不機嫌そうに呼ぶ。
「……………」
「おい…聞いてんのかテメェ…」
返事が無いことに更に機嫌を悪くしたのか、ウルフは苛々した口調で再度呼んだ。
「…ん?どうしたウルフの旦那?」
すらりとした男、パンサーは軽い調子で答えた。
「どうしたこうしたもねぇ!テメェ何で俺の部屋に居やがる!?」
「そりゃ旦那……暇だからに決まってんだろ?」
「俺の部屋でも暇は潰れねぇだろうが……おら、今俺は一人になりてぇんだ。さっさと出て行け」
ウルフは顎でパンサーを促した。
「何だよつれないねぇ…なら何か俺の頼み事一つ聞いてよ。そしたら出て行くからさ~」
しかしパンサーは部屋を出て行かず、ベッドに横になる。
「おい……テメェが勝手に部屋に入ってたんだろうが」
「まぁ細かいことは気にせずに」
「…ちっ…勝手な野郎だ。……頼み事とは何だ?くだらねぇ事だったら額に風穴空けて宇宙に捨ててやるぜ?」
「ん~それは勘弁してほしいな…まぁ頼み事って言っても旦那にとっては些細な事だと思うけどさ」
パンサーはガバッと起き上がり、苛々しているウルフを目に捉えた。
「あ…?ならさっさと言え。そしてさっさと散れ」
苛々とウルフは言った。
「はいはい解ったよ…ったく旦那の短気には困りもんだよな……」
苛々するウルフを尻目にパンサーは文句を垂れる。後、数秒後にはパンサーの頭にブラスターが突き付けられた。
「ちょ…冗談!冗談だ!!ほら!今すぐ話すからさ!!」
「……………」
ウルフは荒々しくブラスターの銃口をパンサーから外した。
「じゃあ話すからよく聞いてくれよ。俺の頼みは…」
一呼吸間を入れ、パンサーは稀に見る真剣な表情で言った。
「明日俺の誕生日だから最高のプレゼントちょうだ」
バシュ!バシュン!!
翌日……
パンサーの誕生日はベッドの上で行われたらしい。
~Fin
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