序章

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でもその私の性格が裏目に出てしまった時期があった。 両親は有名な音楽家で兄弟は次々と輝かしい栄光を手にしていき、家族はどんどん有名になる。 なのに私は何もせずに逃げ回っていた。 その結果、周囲の人間からはイジメや陰口等をされた。「お前は鮎川家の方々の血縁者じゃない!!」とか「あの方達が慈悲深いから拾われた」だの「きっと愛人の子供だ」だの言われるようにもなっていった。 その内に周囲の陰口は日に日に酷さを増して、遂には家族の悪口が飛び交うようにもなってしまった。 私はそんな事に耐えれる程の精神力は生憎持ち合わせてはいなかった。 だって家族を愛していたから
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