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「聞、こえない…」
目を覚ました獄寺はベッドの上で呆然と呟いて、何度も首を傾げた。
次の瞬間には先刻までの静かさは何処へやら。
「何も…何も聞こえない……!!」
獄寺はベッド脇に立っていたツナの肩を掴んで、音量調節が出来ない大声で、何度も何度も『どうしよう』と『ごめんなさい』を叫んでいた。
その白い頬を流れる涙を見ているのが辛くて。
それはツナも他の守護者も部下も、みんな同じらしく、俯くか目を逸らすしか、術を知らなかった。
獄寺は、二か月もの間、敵対マフィアに囚われていた。
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