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「ったく…この島でかすぎ」
一人森の中を進んで行く。
「誰がこんなゲーム参加するかってのよ…」
葵は座り込むと煙草に
火を点けた。
「はぁー…」
この旅行の発案者は倉田。
だとしたらこのくだらない
ゲームを企画したのも
あいつって事?
ガサッ
物音に敏感に反応する。
「あ…葵ちゃんだぁ。
よかったぁ、人に会えて」
物陰から顔を出したのは
香織だった。
「大丈夫?香織。
あんた顔真っ白だよ」
「うん…なんかいろんな事がいきなり起きすぎて…
参っちゃったって言うか…」
葵はチラッと視線をよこすだけで香織に背を向けたままだ。
「ふぅん……」
「葵ちゃんは怖くないの?
あたし怖くて怖くて…
いつ殺されるんじゃないかって思うと…」
葵は煙草の煙を吐き出した。
「香織、あんたって本当に
演技上手いね」
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