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ザクッ
香織が振り上げたナイフは地面に刺さった。
その瞬間、葵の蹴りが
香織の腹に入る。
「がはっ…」
香織は地面にうずくまる。
「あたしを騙すならもう少し
上手くやったら?
じゃあね」
荷物を持ち上げその場から
去ろうとした。
ガン!
後頭部に衝撃を感じる。
「!?」
頭を押さえ振り返る。
そこには中年の小太りの
男が立っていた。
―立川健司
香織の常連客でもう何年も
店に香織指名で通っている。
腕には金属バット。
「なるほど…あんた達もう
組んでたわけね」
額から流れ落ちる血を
手で拭いながら吐き捨てる。
「私の香織の敵は消すまでだ…!死ね!」
バットが再度振り上げられる。
葵は素早い動きでそれを
避けた。
「悪いけどこっちも簡単に
死ぬつもりはないのよね…!」
葵は懐から小型のナイフを数本取出し立川に投げた。
「ぎゃあ!」
腕に刺さり血が滲み出す。
隙を見て葵はその場から
走り去った。
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