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―二週間前
「ねぇ倉田さん、
今日は何飲むの?」
「皆は何を飲みたい?」
薄暗い店内の中
煌びやかな照明にてらされ
キャスト数人に
囲まれている男がいた。
倉田雄二
大富豪の彼はいつも
こうして酒を飲む。
ハーレムとはまさに
この事をいうのだろう。
「あたしシャンパン飲みた~い!」
その一言を始めとして歓声があがる。
「じゃ~適当に…
ゴールド数本頼んどいて」
彼は店一番のVIPだ。
軽やかな栓が空く音と共に
宴は始まる。
「倉田さ~ん。
海外連れて行ってよ~」
「ずるい!あたしも行きたい!」
キャスト達の甲高い声が響く。
倉田は少し考えたのち
口を開いた。
「俺の私有地に
リゾート用の島がある。
貸し切りにして
お前等全員招待してやるよ」
「全員て…?」
「この店で働いてる女だよ
人数が多いほうが楽しいだろ」
視線を店長に向ける。
「二泊三日程度だ。
それ位いいよな?」
店長、桐原は一瞬困った顔をしたが
苦笑いを浮かべながら頷いた。
「倉田さんに言われては
断るわけにはいかないですね…
オーナーに話をしてみます」
結果オーナーから許しが出て
キャスト達の旅行が決まった。
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