Ⅰ。

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私はとりあえず一番最初の扉を開いたわ。 そこは天井と床がひっくり返っていて、椅子や机が天井に、シャンデリアが地面から生えていた。 「さすがは不思議の国!ありきたりな展開ありがとう!!」 私はキャッと頬を赤らめて笑みを浮かべた。 そして一通り部屋を見渡すと、天井の机に小さな小瓶が置いてあるのが見えた。 だがどうでもいいので、とりあえず他のドアを探す。 「うん、無い!」 まともに探さないで私は言い放つ。 「ココ!ココですよ!?無いなんて断言しないで!!」 不意に焦りの声が響くので、私は渋々それを見た。 そこには足も入らなそうな扉があった。 その扉のドアノブが咳をする。
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