死地~麦城の地~

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もちろん関羽は出陣しようと軍備を整えた。 しかしながら隣国の『呉』の動向も気になる。 今、呉の大都督呂蒙が一軍を率い、陸口より荊州を狙わんとする動きが見られた。 これでは、動くに動けない。 関羽が悩んでいると、部下の王甫がこう進言した。 「要所要所に烽火台[ノロシダイ]を築き、つなぎ烽火の要領で備えれば、如何でしょうか?」 関羽は「その言、最もなり」と頷き、早速王甫に命じて烽火台を造らせた。 すると、それを見た呉の呂蒙は、 「関羽、見事なり」 と敵ながら感嘆し、病に倒れた、との報がもたらされた。 好機と見た関羽は樊城へ出陣した。  
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