18人が本棚に入れています
本棚に追加
「こ、恋人っぽくって! アンタ、またそんな恥ずかしい事を……」
「んじゃ、寄るぞー?」
ずいっ。
肩と肩が触れ合う。風峰がびくっと振るえた。
「ち、近いわよ」
「そりゃ、近寄ったんだからな。嫌ならやめるが」
そう言って、今度は遠ざかってみる。
「ふぇっ? な、なんで遠ざかるのよ!」
「だって、嫌なんだろ? 俺は、お前の気持ちを大切にしてやりたいんだ」
優しい声で言う。
「い、嫌じゃない……」
「うん?」
「嫌じゃないって言ってるのよ! もっとくっつきなさいよっ!」
これ以上ないくらいに顔を真っ赤にして、風峰は叫んだ。
朝の通学路には、俺たち以外の学生もたくさんいる。そいつらが、一気にこっちに注目した。
「~~~~~っ!」
風峰は相当恥ずかしかったらしく、下を向きながら俯いてしまった。今にも湯気がでそうなくらいに顔を赤面させながら――。
最初のコメントを投稿しよう!