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「ばか、逆だよ。お前こそ、俺なんかでいいのか? 本当に」
「ふ、ふざけないでっ! アンタ以外にわたしの彼氏なんて考えられるわけが……」
そう言い切る前に、風峰の顔はどんどん赤くなっていき、
「あーもうっ! なんてこと言わせるのよ、このバカ」
機嫌を損ねてしまったようだ。
「悪かったって。だって、お前があんまりにも可愛いからさ」
「ば、バカ! 歯の浮くような台詞禁止だからねっ!」
「可愛い可愛い」
「もう~~~~! バカバカバカバカ!」
そういうところが可愛いんだっての。
「なあ、風峰」
「こ、今度は何よ?」
「手、繋がないか?」
「ばっ、アンタ何言って――」
「そっか。嫌ならいいんだ」
落ち込むフリをしてみる。すると、彼女はまた表情を変えた。
「ち、ちがっ! ちょっと、落ち込まないでよ! 手ぐらい繋いであげるから」
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