イジメの始まり

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次の日の朝…僕はとても体調が悪かった。 お母さんが起こしに来た時には、既に頭がぐらぐらして、気持ちが悪かった。 「38.5分ね!」 熱があるのかぁ……。何とかして学校に行けないかな? 「お母さん…学校…無理かな?」 お母さんは少し溜め息をつくと、 「無理ね。お母さんも今日休んだから、ゆっくり寝てなさい」 だって今日は大事な事があるんだ。新しい友達が出来るんだ。 良くんが、今日吉岡君のいじめを止めてくれるんだ。 赤星君も…きっと。 「お母さん…おやすみなさい。」 僕は本当に学校に行きたかった。でも、今日はゆっくり休む事にした。 次の日…僕は体調も良くなり、学校に行ける事になった。 「昭斗?起きてるの?」 僕は嬉しくて、もう既に用意を整えていた。 「あら?今日は雨が降るのかしら?」 お母さんが皮肉じみて僕に言った。 「お母さん…失礼しちゃうなぁ!」 僕は入学式の時と同じ位、気持ちが高ぶっていた。 「行って来ます‼」 僕は学校に向かった。きっとこれからの中学校生活が楽しくなる事を、信じて……。 「あれ?」 いつもいるはずの吉岡君の姿がなかった。 「休みかなぁ…?」 僕はちょっとがっかりした。吉岡君から今の状況を聞きたかったのに…。謝りたかったのに。 「いいや…今日謝れば‼」 ガラッ‼ 誰かが来た…僕は登校してきたクラスメートに向かって、元気に挨拶をした。 「おはよう‼」 姿を現したのは赤星君と吉岡君と良くんだった。 僕は良くんがいじめをやめるように言ったのが成功したことを確信した‼ 「良くん‼昨日ゴメンネ。風邪ひいちゃって………」 バシャッ 不意に……頭の上から水が降って来た…。 「え……?」 僕は理解出来なかった…今僕は……一体何をされているのか……。 そして降って来た水が何故……良くんからかけられたのか……。 「良くん……?」 『俺たち……何があっても友達だ‼』 良くんは確かに…そう言っていた……。
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