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その日から、僕へのいじめが始まった…。
僕は何をされるのか…怯えていた……。
僕のいたポジションに吉岡がいる。吉岡がいたポジションに僕が今いる…。
「休まなければ、よかった」
授業中は何事もなかったので幸いだった。
「中沢~‼」
赤星君‼‼
「ってかお前…名無しでいいじゃん?中沢なんて…もったいないじゃん‼」
名無し?僕は…きちんと名前があるのに……。
「僕は……。」
言うのを止めた……。なんとなく言うと倍になって帰ってきそうだったから。
「チッ‼」
赤星君はつまらなそうに、僕の席を離れた。
僕はホッとした。でもその安堵は次の休み時間には崩れ去った…。
「よぉ…名無し…俺さぁ…急に美術の勉強したくなったからさ…。」
赤星君はそう言うと、僕の教科書に落書きをしだした…
「おぃ‼これ見てくれよ‼」
僕の教科書に書かれていたものは、男性器だった。
その横に大きく名無しのチンコ!と書かれた。
「ひどい……」
僕は泣き出してしまった……。思う壺とは分かっていたが、悲しかったわけじゃない…。怒りが込み上げて、涙が流れた…。
「赤星君…君…最低だね‼」
僕はとうとう言ってしまった……。押さえられなかった。
「へん…面白い…俺にそんな口聞くなんてな…。」
絶対言わない方がよかった‼わかってるけど…ムカついた‼
「僕は…君が最低だって…ようやく気付いたよ」
僕は学校から帰る途中もかなりイライラしていた。でも……そんなのは、長く続かなかったんだ……。
誰も助けてくれない、この状況が、こんなに辛いなんて……。
今は…全く気付かなかったけどね……。
僕は家に帰ると、お母さんには言えずに、寝てしまった……。
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