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僕も明日から中学生だ。真新しい制服を身にまとって、新しい友達もたくさん出来るんだろうなと、意気揚々と新たな学舎へと期待を膨らませていた。
僕の名前は中沢昭斗。ごく普通の新中学生だ。
成績は小学生の時はそれなりに良かったと思う。スポーツもそれなりに出きる方だと思う。
家族だって普通だ。
中間管理職でいつもストレスが溜まると愚痴をこぼす、サラリーマンの父。パートでスーパーに勤めている母。高校生になったばかりの姉。
普通の家族に囲まれて、普通に野球をする友達もいて。
それが僕……。だから中学も普通に三年間を過ごすんだろうな。と考えていたんだ…。
普通が一番だと思うからね!
僕は明日の入学式に希望をたくさん詰め込んで眠りについた……。
「昭斗!ほら起きなさい!」
お母さんが僕をいつもより30分も早く起こしにきた。
「お母ぁさん…まだ早いよぉ……。」
お母さんは僕の部屋にずかずかと入ってくると、カーテンを開けた。
「入学式遅刻しちゃうわよぉ!!お母さんねぇ…新しい服買ったのよぉ!今日の為に!早く用意しなさい!!」
そうだった…今日から中学生だ!小学校よりも少し遠いから…早く起きなくちゃだめなんだった!
「もう!!お母さんもう少し早く起こしてよ!!」
お母さんはご飯が出来ていることを僕に告げると今日の用意のためかな?早々と部屋を後にした。
僕はまだ眠い目をこすり一階のリビングに行くと、お母さんはもう用意をし始めていた。
僕はパンにバターを塗って、少し急ぎ気味に、それを口に詰め込んだ。
「お母さん!それ…派手じゃない?」
お母さんは白いワンピースに淡いピンクがかったジャケットを羽織っていた…。
「そんなことないわよ!これ高かったんだよ!酷いわね…昭斗!!」
毎日の光景だった…いつもと変わらない…普通の毎日だった…。
ずっとこれからも続くと思った…普通の毎日……。
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