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お母さんと僕は中学校までの道のりを歩いた。僕はお母さんが好きだ。話しをしていると楽しいし、明るいお母さんだもん。
「ねぇ、お母さん。僕友達出来るかな?」
ちょっとだけ不安になった気持ちをお母さんにぶつけた。
「昭斗は優しいからね!お母さん自慢の息子だもん!100人位つくれるわよ!!」
お母さん…嬉しいけど、少し恥ずかしいよ…。
「が…頑張るよ…。」
そんな話をしながらお母さんと歩いていると、少し早めに中学校に到着した。
お母さんは受付を済ますと、保護者の席についた。僕も、まだ誰もいない生徒用の席についた。
「やっぱりまだ早いよ…お母さんはせっかちだからなぁ……。」
少しぼぉっとしていると続々同級生が現れてきた…。入学式まで後10分……。ほとんどの席が埋まっていた…。
定時に入学式は開会された…。校長先生の長いお話。PTA会長のまた長い話…。校歌斉唱…。
全く分からない校歌を僕はとりあえず口パクで分かっているフリをした。
あれよこれよと言う間に入学式も閉会…。
「あ…僕はB組だ……。」
先生が一人一人の名前とクラスを読み上げる。
「この後はクラス会を行うので、呼ばれたクラスに向かって下さい!!」
若い先生だ…。担任の先生かな?
僕は言われたとおりB組へ向かった。そこには小学校で一緒だった友達がいた。とりあえずほっとした。
「良くん!!」
僕は彼の名前を呼んだ。彼は石田良輔くん。小学校の時に野球をしていた仲間だった。
「昭斗!お前も同じクラスか!やったな!」
良くんはどちらかといえば、頼りがいのあるお兄さんのようだった。僕が身長146㎝に対して良くんは165㎝あった。
「良くん!また野球やろうね!!」
僕はそう言うと良くんは「おぅ!!」と頼もしい返事をした。
楽しくなりそうだった。クラスのみんなも気さくに話しかけてきてくれた。僕は小さかったから、弟のように可愛がられた。
家に帰るとお母さんが心配そうに僕を見た。
僕はお母さんに友達が出来たよ‼と話すとお母さんは嬉しそうに、僕の大好きなハンバーグを作ってくれた。
美味しかった。本当に…美味しかったよ…お母さん……。
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