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中学校は1日がとても長かった…授業も小学校の時よりも、15分も長かった……。たかだか15分……されど15分。僕にとってみたら、15分は1時間のように長かった……。
ちょっと……言い過ぎかな?
5時間目が始まると、給食で食べ過ぎたのを後悔した…。僕はもの凄い眠気におそわれていた……。
「おい!昭斗!!これ!!!」
僕の後ろの席には良くんが座っていた。
その良くんが小声で僕を呼び、手紙が回ってきた。
僕は一瞬で眠気が覚めた……。
【吉岡雅俊は小学校の時にいじめられてたらしい!!あだ名は、うじ虫だって!!】
僕は初めに手紙を回したクラスメートを見た。
クラスの中でもリーダーシップをとっていた、赤星弘幸君だった。
「どういうこと?」
僕は口パクで赤星君に伝えた。赤星君は前を指差していた。
「どういうこと?って何が分からないんだぁ?中沢!!」
赤星君が指差していたのは先生が来てるぞ!って意味だった……。
僕はよそ見をしていた罰として、数学を解かされた……分かんなかったから、結局恥をかいてしまった……。
でも僕は自分の恥よりも回ってきた手紙のことのほうが気になって仕方なかった………。
授業が終わると僕は赤星君の席に急いだ…。
「ねぇ!!赤星君!!あれって本当??」
僕は、もちろん嘘だよね?という意味も込めて、問いかけたつもりだった。
でも日本語って難しい……。赤星君にはそうは伝わらなかったみたいだ……。
「お?何だぁ?中沢!!可愛い顔して興味津々じゃん!!」
僕はうまく伝わらなかった事なんて気にも止めなかった…。
むしろ赤星君の言うように、興味津々だった…。
赤星君の言うには、小学校の時に、うじ虫…吉岡君が残したパンにうじ虫がわいていた事があったらしい…。それを見つけた男子が面白がって、彼をいじめたらしい……。
そんな事で?と思った。正直思った……。
でも僕はこの時に、赤星君にうまく伝わらなかった事を何故きちんと伝えなかったのかを……とても後悔する………。
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