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僕は自宅へと帰る道の途中…赤星君の話を思い出していた……。
うじ虫……
僕だって汚いとは思う……でもそれでイジメに発展してしまうなんて……。
そんな簡単に。
正直………怖い。と思った……。
家に着くと僕は宿題を始めた。
でも考えるのは……吉岡君の事で……宿題も手に着かなかった……。
「昭斗ー!!ご飯よー!!」
お母さんの僕を呼ぶ声が聞こえた。気がつくと、宿題そっちのけで…1時間ずっと考えていた。
「あ……今行くー!!」
宿題…まぁいいか…。ご飯食べたらやろう…。
家族と他愛のない会話をした。日常のありふれた会話だった。
「あら!!また……イジメで自殺ですって!!」
お母さんがテレビを見てふと口にした言葉に僕はドキッとした……。
「でもねぇ…自殺することはないんじゃないのかな?」
うん…僕もそう思う。
だから…僕には無縁の話だった……。
「僕…宿題あるから…」
そう言うと、僕は宿題をし始めた…。
そして、またいつものように朝登校をする。
みんなより少し早い時間に…。
だって…いつもの事だから……。
朝登校をすると、やっぱり吉岡君はもう既に登校していた……。
「お………」
僕は赤星君にイジメられてたと聞いた事を思い出していた。おはよう。と言い損なった……。
「聞いたんでしょ?」
吉岡君は不意に僕に聞いてきた。一瞬ドキッとしてしまった。
「な…何が??」
あからさまに声がうわずっていた…。吉岡君は溜め息をつくと、
「また…いじめられるのか……。」
と悲しそうに言った。
「君も…アイツ等と同じ様に僕を……」
僕は悲しくなった…僕まで、同じに見られてしまうのが…何だか寂しかった……。
「そんな事しないよ?だってクラスメートじゃん!!」
赤星君だってそんな事はしないだろうと思ったから…僕はそう言った。
「良かった。ねぇ…友達になってくれる?」
僕は一瞬ためらった…。でも……「うん」と小さく頷いた……。
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