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僕は次の日…電車に揺られながら、良くんのいる病院へと向かった。
「遠いな」
僕は話す人もいないので、ブツブツと独り言を言っていた。
長い間電車に揺られ、やっとの思いで駅に着くと、良くんのお母さんが迎えに来てくれていた。
「あ…!おばさん!良くんは!?」
おばさんは首を横に振った。まだなんだと…そう思った。
「でも…昭斗君が来てくれてあの子も喜ぶはずだわ!」
本当にそうだろうか…だったら、何で良くんは目を覚ましてくれないんだろう。もう…僕たちは卒業するのに………。
無言のままおばさんの車に揺られながら、病院へと向かった。
病室に着くと、初めて病室を訪ねた時のままの良くんがそこにいた……。
「良くん?あのね………………………」
僕はこれまでの経緯を話し始めた。
おばさんも、頷きながら、嬉しそうだった。
「だからね、良くんも早くおいでよ…一緒に卒業するんだよ」
僕がそう言うと、おばさんは、《もうそんなになるのね》と言った。
そうだよ…もう…卒業の時なんだ。
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