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「へい、ストップ・アンド・スリップ」
スリップしたらまずいでしょ! 三少女は腹がちぎれるほど爆笑、
三人はうちわを片手に、浴衣に憧れる。
リーバイスを股のところで切りすぎたデニムをはきこなすジュンコに、この街一番の賢者が落ちましたよと財布をとどけてくれる。
哲学を咀嚼しない州で、ボーイッシュがいかすミサのスニーカーが電卓看板を倒す。
道は何処までも繋がっているが先は見えない。
チハルの短すぎるスカートが功を奏してか、一台のフォルクスワーゲンが停まった。
ねぇあたしたち、ホンコンに行きたいのよ。
すみません、とフォルクスワーゲンの男は頭を下げるではないか。
絹の脇道は、何個目の信号を左ですか?
懇切ていねいに教えてやった三人姉妹は「姉妹? 違うわよ」、
とてもいいことをしたのだと自分たちを誇りに思い、
そうよ、人助けの旅よ、これは名案だわ。
助さん、格さん、用意はよいか!
いいわよ、八兵衛。
誰が八兵衛よ! チハルは泣くほど怒った。
目指すは一直線のみ!
イー、ハー、と三少女は叫んだ。
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