第1章

4/38
前へ
/38ページ
次へ
朝からツイてねぇ… 道路を挟んで向こう側の家の玄関前では、一人の少女が爪先をトントンとやりながら靴を履いていた。 …あれ?アイツの着てる制服、どっかで見た事あるような…あ。 「…嘘だろ?」 俺はバックを開けて高校の入学案内を取り出し、記憶を手繰ってページをめくった。 俺の記憶違いであってくれ…! そんな俺の思いは、無惨にも打ち砕かれた。パンフレットには、しっかりと目の前のアイツが着ている制服がプリントされていた。 「…最悪だ」 俺が半分放心状態でアイツを見ていると、向こうも俺に気付いたらしく、目が合った。しかし、それも一瞬。アイツはつまらなそうに一瞥すると、歩き出した。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

152人が本棚に入れています
本棚に追加