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掃除をしていると、抽斗の奥から初めて買った携帯電話が出てきた。
白いスティック状の携帯はところどころ汚れていて画面が小さく、よくこんなもの使ってたなと思う。
携帯は高校になって彼氏ができたときに彼氏とメールしたくて買ってもらった。
彼は恥かしがり屋なのかあまり女の子と話すタイプではなかったけど、なぜかメールはまめでなかにはキザな台詞がありつい吹きだしてしまった。
メールのなかにいる彼は学校にいる彼とすこしだけ違って、そんな彼を知っているのは私だけだと思うと優越感に浸ることができた。
あたしと彼はいつもメールだった。
朝起きてメール。
休み時間にメール。
部活が終わったらメール。
いっしょに帰るのに待ち合わせメール。
いつもいつもメールしているメール大好きっ子だ。
あたしは学校で会うリアルな彼も好きだったけどメールのなかで出くわす彼も大好きだった。
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