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私は遅刻しそうでしたが次の駅で電車を降り、地下鉄に乗り換えて会社に向かうことにしました。
先ほど申しましたとおり、白い猿が弱っているときはよくないことが起こるからです。
いつもより少し遅れて地下鉄の駅に着いた私の耳に、さっき乗っていた電車が人身事故で遅れるとの情報が入ってきました。
ええ、そうなんです。
白い猿が弱っていると電車が事故になる可能性が高いのです。
私の経験上外れたことはほとんどありません。
えっ、なんですか。
そんな猿見たことないって。
そんなことありません、よく見てください。
けっこういますから。
ただあなたが気づいてないだけです。
目を閉じてじっと待ってみてください。見ようとしてはいけません。
自然と猿が浮かび上がってくるのを待つのです。
静かに。
じっと。
あなたは待たなければなりません。
えっ?
猿がどこに乗っているか教えてほしいって。
わかりました、もう一度云いましょう。
一一その猿は
≪了≫
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