ACT.1 紫煙と殺し屋

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ーーーセルジオン城地下・研究室。 そこでは白衣を着た研究員がまさに"そいつ"に殺されていた所だった。 そいつの口から吐かれた紫色の煙に、首を絞められた状態だった研究員はしばらくピクピクと体を痙攣させていたが、やがて息絶えドサリと崩れ落ちる。 20人近くいた他の研究員もすでに同様の有様で、生存者はすでにいなかった。 ジャケットの内側に着用したショルダーホルスターから2丁のマグナム拳銃を抜いたナイトレイドは、そいつに銃口を向けながらゆっくりと近づいていく。 「毒蛇のライガ……。〝イーサー〟の幹部がこんな敵本拠地までわざわざお越しくださるとは、ボーグもいよいよ革命ごっこに本腰入れてきやがったみてえだな」 ライガと呼ばれた男は髪を紫に染め上げその名の通りヘビのような顔立ち、やせ細った気味の悪い男だった。 「ヒヒヒ……蒼の死神か……。だが、一足遅かったな」 その手には透明な箱が握られており、ライガは勝ち誇ったように口端を上げている。 「もうここにも……お前にも用はない……ヒヒ」 ナイトレイドはそれを見ると舌打ち交じりに蒼い目を細め。 「そう言わずに遊んでいけよ」 同時に、2つのトリガーを引いたのだったーーー。
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