ACT.2 孤高の女王

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幼い頃から演技には自信があった。 両親は仕事が忙しくてほとんど家に帰らなかったけど、寂しそうなそぶりは見せた事がない。 周りからは"大人びた子"…なんて言われてたけど、嘘。 本当は寂しくて寂しくて仕方なかった。 だから両親が事故で死んだ時は後悔したわ。 もっと素直になっておけば……ってね。 甘え方も知らなかった私は同情や励ましをもらって、家族じゃない人に引き取られた後もずっと演技し続けた。 大人の機嫌を損ねないように、損ねないように… でも、大きくなるにつれて、それは当たり前の事なんだって分かる。 誰しもが、仮面をかぶって生きている--… だから、仮面をかぶり続けてきた私には天職だったのよ。 劇団にスカウトされてから、5年で今の地位まで上りつめたわ。 もちろん、楽な道のりじゃなかったけど… 今では私の名前を知らない者はいないーーー。
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