ACT.2 孤高の女王

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ーーー眩しいシャッターの光を全身に受けながら、豪華なレッドカーペットを意気揚々と歩くプラチナブロンドの美しい女の姿があった。 『デネロ国際映画祭で見事、主演女優賞に輝いたエミリア・ハート!おめでとう!最年少にして女優の頂点と誉れ高い栄誉を勝ち取った感想は!?』 『そうね…まずまずといった所かしら』 『さすがは〝女王〟!言う事が他の大物とは違うね!』 やたら騒がしい報道陣に笑顔を振り撒きながら、質問に答えていく女。 『とにかく"孤高の華"は最高だった!次回作も期待してるよエミリア!』 ーーー壁に備え付けられた大画面に映る自分を、エミリアはソファーにもたれながらどこか他人のようにぼんやりと眺めていたーーー (なにが「まずまず」よ) エミリアは心の中で悪態づいた。 ちなみに、役作りの為に5キロ減量し、台本だってボロ切れになるほど繰り返し読んだ努力の結果である。 でも、そんなの誰も知らなくていいーーそう思う。 (私は"女優エミリア"を演じているのだから…) (本当の自分は、とてもつまらない普通の人間だから…)
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