ACT.12 殺し屋と呪縛

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ーーーセルジオン城。 窓のない、閉ざされた質素な造りのとある会議室。 そこは普段、闇人が任務が言い渡され作戦を練ったり完了報告がされたりする、いわゆる彼等専用の打ち合わせ部屋であった。 そんな場所には現在10人程の闇人が集まっている。 しかしその空気は張り詰めた糸のように緊迫しており、全員が真剣な表情をしていた。 「ジョセフとオーディンがやられた……?バカな!」 仲間の報告に、ヴォルフガングは驚愕に表情を硬直させる。 「嘘じゃねえよ。2人共、そりゃあ無惨なんてモンじゃなかった。バラバラに切り刻まれてたぜ……」 闇人の1人は冷や汗交じりにヴォルフガングから目を反らした。 「……マフィアのお礼参りにしちゃ少々行き過ぎてる……。イーサーの幹部に接触したとみて間違いない」 「……噂だけど、イーサーには"地獄の最果て"といわれる【ゼブロイル・プリズン】から脱獄した凶悪な殺人鬼がいるって話」 壁に寄り掛かりながら鋭い眼光を放つのは、短く切り揃えた緑色の髪をした中性的な女だった。 「ディグスか……。俺も聞いた事がある」 「サウスエンドの切り裂き魔だろ」 多くの犠牲者を出したその存在はあまりに知れ渡っていた、闇人達は表情を曇らせる。 「……だがこれでスローデンの覇王バレンチアノの疑いは強まった。あとは証拠か……」 ヴォルフガングは厳つい顔をさらに厳しくさせる。 「確かナイトレイドはスローデン出身じゃなかったか?」 「あいつはリルバレスブールのスラム生まれだ」 「とにかくケツに火ィついてんだ、もし奴が絡んでるなら張り合えるのはジェットかナイトレイドくらいしかいねえだろ」 闇人達が口々に意見を口にする中、ヴォルフガングだけは難しい表情で眉間に皺を寄せていたーーー
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