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「ーーーそれでその女何て言ったと思う!?」
仕事終わり早々、スタンの車に乗り込んだエミリアは真っ赤になって憤慨していた。
「『あなたの地位は男と寝て手に入れたんじゃなくて?』ですって!!今まで私を妬む女優は山のようにいたけど、あの女が一番腹立ったわよ!!」
「……延々とグチを聞かされる俺はお前に腹が立つけどな」
呆れ顔のスタンが運転しながら毒づけば、エミリアは沸騰した湯のように更に騒ぎ立てる。
すると、車内に単調な着信音。
スタンは電話の相手を見るとすぐさまエミリアの口を手で塞いだ。
「はひふんほよ!(なにすんのよ!)」
怒り狂うエミリアをよそにスタンは真剣な顔で電話に出た。
『スタン、久しいな。元気にしていたか』
電話主は威圧感のある重厚な男の声だった。
「親父……」
それを聞いたエミリアは、大きく目を見開いていたーーー。
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