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青い髪をした、痣だらけの男の子供の名前はスタンといった。
母親は娼婦。
父親は仕事に就かず遊び歩くアルコール中毒者。
本当の父親は誰かなんて分からない。
小さい体に酷い暴力を受け続けた彼は、貧困のあまりやがて両親によって人買いに売られるーーー。
そこでスタンは、1人の男に目をつけられた。
『いい眼をしているな……。気に入った』
整った身なりや口調、ロマンスグレーの髪は品を感じさせるのと同時に、幼い子供ながらにもその威圧感には圧倒させるものがあった。
『今日から俺を"父"と呼べ』
その男はスタンを我が子同然に可愛がった。
愛される事を知らない子供は、その男がすべてだった。
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