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赤い血の海に立つ少年は、その場にはあまりに不釣り合いな存在だった。
だだっ広い豪華な部屋では数刻前までパーティーが行われていた。
しかしそこは一転して静寂に包まれている。
そしてもういくつか違いを上げるとしたら、鼻を突くような血生臭さが漂っている事、そこにいた人間全てが床に伏せ息絶えているという事だろう。
……いや、少年の目の前に立つ、小太りの紳士は辛うじて生き延びていた。
その顔は、驚愕。
無理もない。
今まさに自分を殺そうとしている人間が、まだ声変わりもしていないような男の子供なのだから。
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