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少年はくすんだ青い髪と、深海のような瞳の持ち主だった。
端正な顔立ちではあるが表情は淡々としていて、その心境を窺い知る事はできない。
小さな手に鋭利に光る短剣。
これがすべての答えだと貴族の男は悟った。
「頼む、命だけは……」
小刻みに震えながら命媚いをするその男は、少年には何とも滑稽で哀れに思えてならない。
「ごめん、仕事なんだ」
次の瞬間。
男の首から上が無くなり、少年の青い髪はどす黒い血で染まっていったーーー。
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