ACT.3 闇夜の出会い

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青い髪の男は紫の髪をした男のナイフを手刀で弾き飛ばすと、その勢いで鳩尾に回し蹴りを食らわせる。 「しぶてえんだよ蛇野郎が!!」 遠くに吹っ飛ばされた紫の男だったが地面に四つん這いになる形で受け身を取ると、すかさずこちらにナイフを2本投げつけてきた。 「ひぃ~ッ!」 その規格外の登場と、あまりに人間離れした戦いぶりに唖然としていたエミリアだったが次の瞬間、青い男に乱暴に地面に押し倒される。 その勢いで帽子と胸元にかけたサングラスが落ちてしまったが、今のエミリアにそんな事を気にしている余裕などあるはずもない。 目の前にある鋭い青の瞳、くすんだ青い髪はエミリアにかかるほど近い。 硝煙の匂いが鼻をつく。 目線を男の首筋に移せば、見た事のない黒い紋様が緑色に光り輝くのが分かった。 次に瞬きをした時、青い男はもう立ち上がっており、同時に紫の男が突風で飛ばされる姿が視界に入る。 (何なのよこいつら……化け物だわ……!) 極度の混乱から、気付けばエミリアはサファイアを持ったまま逃げ出していたーーー。 「待て!サファイアを置いていきやがれッ!」 青い男が叫びながらエミリアを追いかけようとしていたが、再び攻撃を仕掛けてくる紫の男に足止めを食らい、それも敵わないようだったーーー。
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