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ーーーセルジオン王国・反国組織アジト。
経営破綻し放置されたままの寂れたカジノでは、反王国組織であるイーサー幹部の面々がずらりと顔を揃えていた。
その中で燃えるような紅蓮の髪と瞳を持つ男は、ブラック・ジャックをする為の半円型の台の上に腰掛けていた。
他の幹部達も代表であるボーグの前だからといって特に緊張した様子もなく、むしろチップを賭けルーレットなどをしながらそれぞれ楽しんでいるーーー
「うわ、嘘ォー」
ボディピアスだらけの少年はカウンターに置いたノートパソコンの前で顔を引き攣らせていた。
画面には王国の機密データである適合者のリストがずらりと並んでいる。
「知り合いでもいたかユーリ」
ボーグはそんな少年の背後から肩に手を回しながら楽しそうに言った。
「知り合いも何もクラスメイト」
見てはいけないものを見てしまった顔をしているユーリに、赤い男はからかうように口端を上げた。
「なかなかかわいらしい彼女じゃねェの」
画面にはピンクの髪をした少女の顔と共に属性紋章や適合率などの詳細データが映し出されていた。
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