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カイはしばらく繁華街を歩いたあと、ある横道に入っていった。
そこは賑やかな繁華街とは真逆の世界―――。
悪人が蔓延る世界。
そして、その世界がカイの仕事場である。
カイは雰囲気に臆することもなく淀みなくとあるバーへと入って行く。
そこは年期の入った古いバーで明かりも暗く、人の顔なんてよく見えない。
カウンターでは白髪混じりのマスターがカクテルを作っている。
客層は専ら男。しかも一癖も二癖もあるやつばかり。
そんなバーに入った青年は、少し場違いな気もしたがなにぶん明かりが暗いので怪しむ人はいない。
カイはカウンターに着きアルコール度数が低い物を頼む。
マスターは無言で頭を下げると手早く作り始めた。
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