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隣に座ったのは言うことなしの絶世の美女で長い赤みがかった黒髪、スタイルも抜群の女だった。
こんなバーにこんな女がいるなんて場違い過ぎる。
『俺はまだ口を付けちゃいないぜ? それに、美味しいかどうかなんて人それぞれだろ。』
カイは直ぐに冷静になり女の質問に答えた。
女はしばらく思案すると
『それもそうだ。―――マスター、私にもこれと同じものをくれないか?』
マスターはまた礼をすると無言でカクテルを作り始めた。
女の用事はこれでしまいかと思いきやまたこちらに顔を向けてきた。
『お前に頼みたいことがある。』
『………何だ?』
カイは訝しげに女を見る。女は不敵に笑って
『お前、私の恋人になってくれないか?』
そう言ってきた。カイは溜め息をついて怠そうに女見ると
『あんたみたいな美人の恋人になるなんざ御免被りたいね。』
と面倒臭そうに答えた。女はそんな回答を考えもしなかったのかまた思案にふける。
その時、出来たカクテルが女の前へと出された。
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